MUKU-DATA  鍵屋   1 / 4 

週末、老舗銘酒場で一杯やってきた。(嘘です)
店主を囲むように組まれたコ型の木のカウンター、
ぬる燗にお通し、そして見知らぬ人との何気ない会話・・・
やはり人が集うここには材木が必要なんだなぁ・・とあらためて実感する。

江戸時代から続く銘酒場:「鍵屋」
1月の休みに江戸東京たてもの園でこれを知った。
多くの人たちが集い、手や肘で触れられて
こぼした酒を雑巾で拭く。
何千、何万と、木と手や布が擦れここで使われたカウンターは熟成し
独特な風合いになっている。

材木屋の視点としてはそこで使われている材種、材質なども
常に見ているんだけど・・
あれ?ここって何の木だったっけ? 欅だった?かな・・

そうなんだね、材種はここでは関係ないんだ。
この艶からするとある程度は硬めの材だったんだろうけど・・
材種に意識がいかなかったのは
その風合いに気持ちが奪われていたんなんだなぁ・・と思う。

木は使ってなんぼ、そこに集った人に触られながら
時間と思い出を吸収してくれる。
なんて人に近くて優しい素材なんだろう。。。と思う。